バランスの良い食事とは?

バランスの良い食事を心掛けることの重要性を説く人は多いですが、ではそのバランスの良い食事とは何かといえば、これは中々難しい問題でしょう。

現代の栄養学の出発点は、人間の身体を構成する要素を細切れにして分析し、それを元に必要な栄養素及び摂取すべき食品を考えるというスタンスなのですが、これは畢竟、「人間が食すべきは人間自身」ということに成ってしまわないでしょうか?

人間が必要とする栄養素は、直接的には人間の体それ自体に最もバランスよく完全に含まれているわけですから、この辺りを基準にすれば、共食いこそが必要な栄養素を得るための最上の策ということになりましょう。

しかし、そんなことは倫理的にも到底受け容れられることではありませんし、自然の摂理を無視した共食いの末路は、狂牛病(肉骨粉を乳牛に与えていたことが、2000年代のわが国での狂牛病騒動の原因と言われています)や、それに類似するとされるパプアニューギニアのクールー病(儀式的人食文化によるヤコブ病様の疾病)も、その類といえましょう。

筆者自身は人間を食べたことが無いので何ともいえませんが、心理的に感謝の念を抱いて食べられそうな気がしないので、恐らく健康を害すると思います。

また、基本的に現代栄養学は、人間を超複雑系として捉える視点が希薄な為、必須の栄養というものについて、或は理想的な食事ということを捉え損ねていると思われてなりません。

人体内での化学反応による各種栄養素の変化や、それに関わる腸内常在菌群の働きなど、到底人間の知恵では推し量れないものと思いますし、実際の食品に含まれる微量成分の中には未だ同定されていない未知の成分が数え切れないほどある訳で、食べ合わせの善し悪しなども現代の分析学的栄養学では、その真実を把握することは困難に思われます。

筆者は、むしろ、そのような分析的手法から導かれた理論に基づくよりも、体験的に先人の古典医学の理論に、食事におけるバランスについての手がかりを求める方が確かと思われて成りません。

その基本は

@偏食をしない

A少食

ということで、これは現代の医師や栄養士の口からも語られることですが、この@の偏食は、ビタミンや蛋白質などの五大栄養素を中心に考えるのではなく、「酸、苦、甘、辛、鹹」の五味の調和を基準に考えることが古典医学的思考の基礎となります。

通常、冬場に体を冷やす性質の食べ物を沢山食べることは控えるべきですが、東洋医学の本草書には、体を冷やす性質のものとして我々の常識では浮かばないようなものが記載されていますから、一冊位は、そのような書物を手元に置いておかれると良いかもしれません。

また、動物性食品の摂取を禁忌とする日本的食養法ではなく、野菜や穀物との取り合わせも五味の調和を基本に考え、できるだけ多種類の食材を少量ずつ食べることを心がけたいものです。

あまり、理論的なことが分からずとも、常識的に健康に悪くはなさそうなものを可能な限り多種類摂取するように心掛ければ、そうそうバランスの悪い食事にはならないはずです。

また、厚生労働省は30種類以上の食品を摂ることを勧めていますが、一品一品の中でのバランスも考えたいところです(玄米やアボガドetc…)。

農薬や食品添加物を極力含まないことが理想であることも言うまでも無いでしょう。

2007/02/20

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