塩素の恵み

有害なばかりに見える塩素ですが、これは云わば必要悪であって、私たちは大変に塩素の恩恵を受けていることも事実です。

塩素殺菌が水道水に行われるようになってから、水道を介した感染症は激減したということは紛れも無い事実であり、これを無視して塩素を一方的に悪者と決め付けていては、我々に衛生的な水を提供してくれている塩素に申し訳ないというものでしょう。

統計によると、水道に塩素が投入された後には、どこの国でも胃ガンの発生率が減少していることが分かっており、これは胃ガンの発生に関わるピロリ菌が塩素消毒によって殺菌されたからだと考えられています。

むしろ、私たちは高濃度の塩素を投入しなければならないほどに、原水を汚してしまっているのだということを自覚しなければなりません。

本来、地球環境がこんなに悪くならなければ、これほどの塩素を投入して殺菌処理を行わねばならない理由がないのです。

■塩素がない!?

ある政令指定都市の水道局の委託で、各地の塩素濃度の測定と調整をしている水道業者の方から聞いた話です。

日本の水道法では、通常蛇口から0.1ppm(1リットルの水に1mgの塩素が含まれている)以上の塩素濃度が検出されることが義務付けられているのですが、この水道業者さんの話では、実際には測定しても0.01ppm以下の所がいくらでも有り、雑菌がわいている可能性のある所はいくらでもあるということでした。

この事実はあまり知られていませんから、少し詳しく解説してみましょう。

浄水場で塩素が投入され、そこから水道管を通って各家庭の蛇口まで水道水が届けられるのですが、水道局から各家庭までの距離がどのくらいあるかによって、検出される塩素濃度は変わってくるのです。

塩素は半永久的に持続して存在できるものではなく、案外短い時間でその殺菌効果はなくなってしまいます。

そこで、水道局からもっとも遠い場所で0・1ppmの塩素濃度を出すためには、多少塩素が減少しても最低限の塩素が検出されるように、水道局は予め大量の塩素を投入します。

しかし、田舎で家と家との間に距離があったり、使う水の量が少なかったりすると、当然蛇口に到達するまでに水道水中の塩素は減少してしまいます。

このようなカラクリで、塩素濃度が基準値以下の場所がたくさん存在するわけです。

つまり、このような家庭では塩素の害は心配でないかわりに、感染症の心配をする必要があります。

馬鹿の一つ覚えのように塩素の害を説いて回る「水商売人」の口車にのる前に、家庭での塩素濃度を測ってみるのが賢明かもしれません。

さらに大事なことは、0.1ppmという下限は設定されているのに、危険とされる上限は決められていないため、水道局が末端での塩素濃度にこだわって大量の塩素を投入することから、その地域での塩素濃度の大変なレベルの不均衡が生じているということです。

つまり、水道局から離れている人ほど感染症の危険に付き纏われるのに対して、すぐ近くに住んでいる人は凄まじい高濃度の塩素の害を受けることになります。

夏場は特に塩素が飛んでしまいやすいので、水道局は塩素濃度を上げるため、近場に住んでいる人ほど高濃度の塩素が含まれた水を使用することになります(実際には配水システムがポンプ式でも自然流下でも配水所から送られてきた水をすぐに家庭に流すようにはなっていませんが、各地の塩素濃度にかなりの不均衡があるのは事実ですし、もっとも早く配水されてくる地域は塩素濃度もべらぼうなものです。)

塩素の害と恩恵の両方を常に忘れることなく、対策を講じていく必要性があります。

活水器メーカーが自社の製品によって得られる水には殺菌作用があるというものの、よくよく調べてみたら塩素を除去する能力が無かったので、何のことは無い、塩素による殺菌だったという話もありますから、計測データもよく調べなければなりません。

通水させて何の変化も無いような活水器の場合、普通の水道水なら菌などいないのは当たり前です。

実験としては塩素を含まない水で、菌が繁殖するかどうかを確かめるというのが、本筋でしょう。

■石綿管の危険性

先ほどの水道屋さんは、もう一つ興味深いことを教えてくれました。

水道管の種類には数種類あり、家庭内の引き込み管は大抵ビニール管ですが、本管はビニールの他に、鋳鉄やダグタイル鋳鉄が使われています。

新しい管はダグタイル鋳鉄が主流なのですが、古い管には今話題のアスベストが使用された管があるとのことです。

その政令指定都市では、合併前に慌てて石綿管の引き換えを行っていたそうです。

一応、国は石綿管は安全であるとしていますが、HIVや肝炎ウイルスが混入した毒まがいのものに医薬品の認可を出す国の言うことですから、どこまで信じてよいのか判ったものではありません。

もしかすると、とっくの昔から日本は水も安全もタダの国ではなかったのかもしれません。

2007/03/14

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