人はなぜ治るのか アンドルー・ワイル 著

代替医療概説の不朽の金字塔『人はなぜ治るのか』です。

かつて、これほどまでに代替医療を覚めた目で捉え、平明簡潔に論述した本は無かったと思いますし、恐らくこれ程の名著はもう二度と現れる事は無いでしょう。

其の内容は、素晴らしいの一言に尽きます。

ワイル博士の前ニ著は、ドラッグを扱ったもの(『ナチュラルマインド』1972年、『太陽と月の結婚』1980年)でしたが、本書はその成果も踏まえ、意識と体の相関性を主軸に、不可思議な代替医療で病が癒されるメカニズムについて、誠実に鋭く解き進めています。

目次を見ても、

「完璧な健康は達成できない」

「健康とは全体である」

「病気の動因は病気の原因ではない」

「あらゆる病気は心身相関病である」

「からだは人によって異なる」

「内科と外科の対立」

「医原病を生むテクノロジー信仰」

「草創期の新興治療法はよく効く」

「絶対に効かないという治療法はない」

「理論モデルは現実そのものではない」

などなど、一つ一つが展開によって一冊の本に成り得る深みを秘めています。

これらの一つ一つを丁寧に解きほぐし、「人はなぜ治るのか」という謎に迫っていくワイル博士の筆法は圧巻の一言に尽きます。

上野圭一先生の訳文も翻訳を感じさせない自然な文体で、この本の価値を余すところ無く伝えています。

代替医療に限らず、一人でも多くの方に目を通して欲しい名著です。

2007/05/26

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