サプリメントの本当の害

健康食品の健康被害については既にお伝えしましたが、医学統合研究会では含有成分自体に起因する害よりも、もっともっと重大な害がまったく別の所にあると考えています。

それは心理的問題です。

「これさえ飲んでいれば…」と途端に運動をしなくなったり、嗜好品を限度を考えず食べ過ぎてしまったりということは、健康食品を摂取し始めた人には、よく見られる現象なのです。

大抵の成人病は、主に嗜好品の摂取過多や運動不足に起因します。

病気になった人は誘惑に打ち勝ち、食事制限をする必要や、意識的に運動する必要があるのは当然ですが、ある意味ではそれができないから、病気になったともいえるわけです。

そんな人が「これさえ飲めば大丈夫」とばかりに、保険に入ったような気になって、今まで以上に限度を超えた生活をするならば、病気は良くなりません。

むしろ、そのサプリメントの摂取を契機に、一段と病状が悪化する可能性もあります。

それこそが、健康食品の本当の害であると医学統合研究会では考えます。

血糖降下剤が糖尿病患者の美食飽食の免罪符にならないのと同様に、健康食品は不摂生の免罪符になるものでは決してありません。

現代の病気の多くは食事を変えるだけでも(それが一番難しいのですが…)、大抵好転していきます。

どちらかと言わずとも、サプリメントより食事の方が、遥かに大切なものなのです。

人間の心は弱いものですから、そこに業者が付け入る隙があるのですが、真剣に「健康」を考えたこともなく、医学知識を学んだことも無い人々による保険外交的セールスは、本当に困ったものです。

どんな素晴らしいサプリメントを摂取しても、良いお水をせっせと飲んでも、生活習慣が悪ければ、なんら有益なことは期待できないというくらいに考えて取り組んで欲しいと思います。

体に悪いことをしていて、サプリメントを摂取するだけで、何の努力もすることなく健康を取り戻そうというのは、海水に砂糖を入れて真水にしようとするが如き愚かな考えです。

不摂生の免罪符として存在するならば、それは健康食品であるはずもなく、食品添加物などより遥かに危険な、明らかな有害食品でしょう。

■マルチビタミン剤の問題

現代の食習慣を含めた不規則な生活と、食品中の栄養価の減少、せっかく取り入れた栄養を無駄に消費させる酸化ストレスの増大などが相まって、現代人は慢性的な栄養不足の状態にあります。

そこで、様々に必要な栄養素を配合したマルチビタミン剤が登場したわけですが、これはある問題点を孕んでいますので、少し皆さんと一緒に考えてみましょう。

確かに、マルチビタミン剤はそれなりに有効な使い方ができるものであり、時に大変便利なものだと思います。

例えば、朝どうしても朝食を摂る時間が無かった時に、マルチビタミン剤で栄養補給をするということは有益でしょう。

しかし、それは煎じ詰めれば、「サプリメントが食事の代用になる」という考えにならないでしょうか?

言うまでもありませんが、それは食事とは言いません。

サプリだけで必要な栄養素を補給できたとしても、それは「食事」ではないのです。

第一美味しくないでしょう。

それに咀嚼ということもしませんし、味わって食べるということがありませんから、「いのちへの感謝」ということもできません。

なにより、栄養不足を何十錠ものサプリで補う…その錠剤に頼って生きているという生活には大きな問題があります。

また、一日分の栄養を補えるサプリがあったとして、それに通常の食事を加えれば、栄養過多にならないかという心配もしなくてはなりません。

そして、自然の食品には現代の科学をもってしても解明出来ていない部分がたくさんあります。

現代人の浅知恵で、ビタミンやミネラルを混ぜ合わせてみても、天然の食品に求めるような同じ恩恵を期待することはできないでしょう。

市販されているマルチビタミン剤は、現時点での成分分析技術と現代栄養学とを反映したものに過ぎず、あくまでも人為的な計算の上に成り立っているものであることを忘れてはなりません。

健康食品の本当の害…ゆめゆめ、心得違いだけはなさらないようにして頂きたいと思います。

2007/03/05

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