磁気活水器の問題点

活水器には、磁石を使用した磁気活水器というものがあります。

水道管から発生する赤錆を軽減する目的で工業用に用いられているものが多く、ミネラル分が多い硬水の場合、結晶化や沈殿が起きるために、水の硬度が高いヨーロッパでも広く使用されているようですが、一般家庭向けのものもあり、日本でも売れているようです。

活水効果には磁石の長さや形状が影響し、また流速と水量がポイントになるとされています。磁束密度にも関係することから、磁束密度を高めるためにネオジム磁石(非常に強力な工業用の磁石で、ピップエレキバンのような使い方をすると人体を害します)を用いた装置が殆どなのですが、この磁気活水器にもいくつか問題があるようです。

磁気活水器は、磁石の力で水分子間の結合を切り、クラスターサイズを小さくし、界面活性力を高める効果があるとされているのですが、磁気活水器は活水効果の持続時間が短かいという欠点があるのです。

活水効果が数時間持続するものもあるようですが、変化した水の状態を長期間に亘って(出来れば一ヶ月程度)持続させるものは無いようです。

さらに、活水効果は流水速度に関係し、一般家庭の使用では十分な活水効果を得ることは難しいとされています。

フレミングの左手の法則により、磁気による活水効果は、磁場の強さと流水速度の積に比例する訳ですが、実際には家庭内の水道管を通水するスピードでは十分な活水効果を得られません。

磁気活水器による事故の事例として有名なものに、ヒラメの養殖に用いて被害が出た例があり、裁判沙汰にまで発展したことは業界に詳しい人には良く知られた事実です。

このような被害が如何なるメカニズムで起こるのかは、詳しく分っていませんが(ヒラメ養殖の例では、海水を通した為に、ミネラルが過度に磁化したのではないかと考えられています)、むやみに磁気活水器を使用するのは現時点では不安が残り、工業用水のような用途以外は避けたほうが無難に思います

ここで一つ、磁気活水器に対する批判として用いられる「水は反磁性体であり、磁化しないので、水を磁石の力で変化させたとする“磁化水”はインチキである」という見方に触れておきたいと思います。

水分子は水素結合によって酸素と電子を共有する形で結合しているとされていますが、最近の一部の研究では磁極結合が関係しているというモデルが提示されており、どうやらこの辺りに磁気による活水効果を説明する鍵があるものと思われます。しかし、一般には、溶質(ミネラルは基本的に磁性体ですから)が磁化したことにより、二次的な磁化を水が受けるという説明がなされています(つまり、水分子が磁石に影響されるのは一瞬でも、溶質の磁化は継続する為)。

養殖などに用いられて、被害が出た例を考えても、磁気活水器によってなんらかの変化が水に起きていることは確実であると考えられますが、赤錆除去などを確かめた実験では、研究機関によって「効果有り」「効果なし」と報告が分かれており、まだまだ研究の余地が残っているようです。

被害原理の究明で安全性の確実な製品が開発されるようになるまでは、私達一般消費者が手を出すのは早計ではないでしょうか。

なお、社団法人日本水道協会が2005年10月に出した通達によると、近年の規制緩和により水道器具の取り扱いも大幅に自由化されましたが、それに伴って磁気活水器によるトラブルが急増しており、その主なものは水道メーターの付近に取り付けることで起きるメーターの誤作動だそうです。

2007/03/17

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