「いのち」とつながる喜び 丸山敏秋 著

高名な教育者であり、社団法人倫理研究所を創設した丸山敏雄先生(1892〜1951)を祖父に持つ丸山敏秋先生の著作。

まず、母と胎内の子供とは既に一心同体の存在であり、「母子一気」であると論じ、胎内記憶という概念が様々な研究によって明らかになってきている事実を説明し、胎教というものの大切さを説いていきます。

また、ルボワイエの名著『暴力なき出産』や大野明子氏の『分娩台よ、さようなら』を引用しながら、今日の出産現場の不備を明らかにして行きます。

さらに、自身の子育てや夫婦のやり取りを紹介することを通して、子育てや教育というものの意味を、著者の優しい目線と語り口で読者に伝えていきます。

丸山先生は、ソニーの創業者である井深大氏と交流があったそうで、氏の著作である『幼稚園では遅すぎる』に強い共感を寄せつつも、今日業界を席巻する幼児教育や英才教育に疑念をさりげなく表明する辺り、覚めた目をもっておられることが窺い知れます。

胎内記憶から、胎教の大切さ、母乳育児の有用性が満遍なく散りばめられ、さらに宗教的な話や哲学的、霊的な話題も全体を怪しげなものとしない程度に盛り込まれていて、不思議でほのぼのとした読後感を味わえます。

2007/06/15

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