食原性症候群 大沢博 著

先にご紹介した『砂糖は体も心も狂わせる』で展開されている「低血糖症」について、本書は様々な実例を豊富に取り上げており、副題にあるように、食事がどれほど深く私たちの心と密接な関係を持っているのかを分かりやすく説いています。

著者の大沢博先生は、教育や心理学畑の学者であることから、本書では、非行少年や校内暴力、登校拒否などが、いかに食事(特に砂糖)に起因した問題であるのかを、医学的統計学的データを交えて、抑えた筆致で語っていきます。

現在、凶悪犯罪や子供たちを取り巻く問題については、社会的な観点や心理学的観点からのみ考察がなされていて、何か事件が起こるたびに、識者の見解としてマスコミが取り上げるのは、精神科医や犯罪心理学者、教育学者といった人々の意見ばかりですが、全てとは言わないまでも、大部分に食生活に起因する問題が内在しているように思われてなりません。

本書では他にも様々な事例が紹介されており、数々の病院で診察治療を受けても原因すら分からず、治療もできなかった愁訴が、食事の改善によって劇的な回複を見た例が少なからずあることは、食事の大切さを如実に物語るだけでなく、今日の医療の現場や、教育の現場で、本来知られているべき知識を専門家が持ち合わせていないという大問題が浮き彫りにされていると言えるでしょう。

医療に携わる方々がこれらの知識を持つことは急務ですが、義務教育の現場でも、食事の大切さ、砂糖の恐ろしさを、子供たち、そして親御さんたちにも伝えていく必要があることは言うまでもありません。

そういった啓蒙活動が功を奏すれば、多くの食品会社や製糖会社が倒産の憂き目を見ることは間違いありませんが、これらは公然の毒物製造会社なのですから、どんどん潰れて貰った方が世のため人のためと言うべきでしょう。

そうなれば、今日の教育の現場で急速に進行中の危惧すべき事態の少なからぬ数が、劇的な改善を見せ、子供の学力低下問題の解決にも一役買うに違いありません。

本書は「食」について書かれた本の中でも、特に「食と心」の関わりについて詳述されたものですから、是非わが子の成長を願う親御さんがお読みになることを願います。

2007/05/22

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