食事が大切

一番先に食養のコーナーを持って来たのには、訳があります。

日々の健康に影響する要素は色々ありますが、普段の食生活以上に重要なものは無いといっていいでしょう。

多くの現代病が、食事を変えるだけで簡単に改善してしまうことから見ても、現代の退化病の多くは食事の間違いに起因すると考えて間違いありません。

日本は、かつての食べ物を残すことが罪悪とされた時代から、戦後の高度経済成長を経て、食べ物が身辺に溢れかえるようになった為、食べ物を残さなければ健康を害する時代に変わりました。

貧しい時代を知る人々は、時代が変わっても「もったいない」と体の要求以上に食べ過ぎて健康を害し、豊かな戦後高度成長の恩恵を全身に受けて育った世代は、食べ物に対してさしたる感謝も無いので嫌いなものは平気で残し(食べ物を残すのは団塊の世代以降の習性のようです)、食べるものはファーストフードに御菓子に清涼飲料と、量だけでなく質の面においても、現代は危険食の時代といえます。

飢餓の時代が長かったため、栄養不足の害は早くから研究されてきましたが、長い人類史の上では、栄養過多の害が一般化してから、そう長くは経っていません。

農薬や食品添加物といった人工物による害も、本当に表面化するのはまだまだこれからでしょう。

食事は本人の嗜好の問題と直結しているため、健康に影響する要素の中でも、最もコントロールが困難です。

本会で提示する、水飲み健康法やファイトケミカルの摂取や、場のイヤシロチ化は、それほど本人の努力を必要とはしませんが、食事だけは本人の意志無しにはどうにもなりません。

また基本的な食生活ができていないと、良いサプリメントを摂取したり、有益な健康法を実践したり、優れた療法を受けても、効果が著しく減じてしまうのが普通です。

漢方の大家、大塚敬節先生に学んだ寺師睦宗先生は、不妊症の漢方治療では知らぬ者のいない、その筋の第一人者ですが、パン食をしている人には治療を行わないそうです。

米を食べずにパン食をしていると、漢方を飲んでも血虚が治らないのだそうで、まさに本物の治療家らしい態度であると感じ入るとともに、食事の大切さを改めて考えさせられます。

また、大塚敬節先生ご自身も高血圧による眼底出血が元になり、片眼の視力を失いましたが、その際に食事の大切さを身をもって体験されたと著書で述懐しておられ、漢方より何より「食事」というものが大切であると明言しておられます。

明治政府の近代化政策の波により、一時は壊滅的な打撃を受けた漢方医学の復興に、多大な功績を残された大塚先生の言葉は、並みの食養家のそれとは比較にならない重みを持っています。

また教育の分野でも「食育」の必要性が叫ばれるようになりましたが、まだまだ良い結果を見るには程遠いのが現状です。

今日の子供たちは何の前触れもなく、「キレ」て、時に大事件をも引き起こしますが、ここにも根深い食の問題が潜んでいることは、もっともっと知られてよいと思います。

後藤美基先生は、著書『聖書の食養生』の中で、非行青少年達に清涼飲料水、チューインガム、菓子類をはじめとして一切、砂糖の入っているものを与えない食事を実践させることで、彼らが普通の人間に立ち直っていく様を報告されていますが、このように食事の改善は人々の健康だけでなく、子供の心の教育にも極めて大切な要素なのです。

『食原性症候群』などの著書で知られる岩手大学の大沢博名誉教授もその著書の中で、食事と教育、食事と心の関わりについて、詳しく論じておられます。

食事の大切さは、このホームページに来てくださった方々は、もう既によくご存知だと思いますが、いざ健康に良い食生活を始めるに当たって、私たちを最も混乱させているのは、それぞれの食の指導者が色々な説を打ちたて、時に正反対の意見すら多く見られるということではないでしょうか?

玄米は体に良いという人、消化に悪いので食べない方が良いという人
人間は菜食で生きるべきだという人、肉を食べないと力が出ないという人
砂糖は良いエネルギー源だという人、砂糖こそ諸悪の根源であるという人

本当に様々な意見が私たちを迷わせます。

医学統合研究会では、このコーナーで、それらに関する情報をご提供し、読者の皆様が、ご自身で「食」を考え、「食養」を実践するための参考にして頂ければと考えています。

2007/02/02

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