体に良い食べ物・悪い食べ物

斎藤茂太風の表題を見て、体に良い食品と悪い食品の一覧表がずらっと出てくると思った方はいませんでしたか?

そのような方は既に、フードファディズムという、食養などでは到底癒しがたい病に罹っている可能性があります。

本来、食品であるなら、それ自体が体に悪いとか良いとかいうことはありません。

食品添加物が多量に使用されていたり、農薬まみれだったりする場合は別ですが、純粋に「食べ物」という観点から考えた場合、食品である以上は、「何を食べれば良いか?何を食べては駄目なのか?」ではなく、食べ方(咀嚼、感謝、楽しんでいるか等)や食べる量、調理法(油ギトギトだったり、塩や砂糖等を使いすぎていないか)、季節はずれでないか(魚貝類は特に寄生虫の問題があります)などが大切なのです。

たしかに、特定の疾病を抱えている場合、禁忌の食事というものはあります。

しかし、それは食べものが悪いのではなく、それが食べられなくなった体の方に問題があるのであって、ある食品が体に良いかどうかといった話ではありません。

食の陰陽についての項でも述べてありますように、ある程度体質に合わせて食事を考えるのは、健康な生活を送る上で有益ではありますが、それとて、陰性体質の人には陰性食品よりも陽性食品を努めて摂取することが望ましいというだけの話であって、食品そのものの良し悪しを論じるべきでないことは言うまでもありません。

通常、健康な人間は少々量を食べ過ぎたり、季節はずれのものを食べても、どうということはないものです。

いたずらに神経質になっていたら、それこそどんな病気になるか分かったものではないでしょう。

食品を身体に良いものと悪いものという善悪二元論で捉えることそのものが、食事のストレスを増大させている(例えば、嗜好品を食べた後に「しまった!つい食べちゃった!」となってしまう)ことに気付かなくてはなりません。

食べてしまったものに一喜一憂するのは、栄養価以前に精神的に良いはずはないのです。

常識的に考えて、明らかに体に悪そうなファーストフードやスナック菓子などを避ければ、あとは和食を中心とした食生活を心掛けるだけで十分でしょう。

■良いものを食べるのではなく、悪いものを避ける

健康に良いものを食べることを考えるより、明らかに悪そうなものを避ける方がはるかに大切であることは言うまでもありません 。

いくら、素晴らしい健康的な食品を食べても、嗜好にまかせて有害な食品を食べていたら、なんにもなりません。

思えば、足りない食品をサプリメントで補っているという人は多いようですが、摂りすぎている食品を減らす努力をしている人のなんと少ないことでしょうか…。

健康食品は基本的に「欠けているものを補う」という発想です。

だから、栄養補助食品とも呼ばれる訳で、現代人に本当に必要なのは、過剰なものを減らすこと、もっと言えば、その“努力”でしょう。

何かを減らすのでなく、摂取することでどうこうしようとするのは楽ですから、運動より、カルシウムの錠剤をとるほうが楽ということで、健康に良いものをせっせと摂取することが奨励されているのに比べ、有害無益なものを控えるような声はあまり聞かれませんし、多くの人は聴きたくも無いというのが真実なのでしょう。

現代人の食生活を概観するに、あらゆる健康法や健康食品を跳ね返す、害毒がどれほど溢れているでしょうか。

食卓に溢れかえる食品とすら呼べない毒マガイのもの、砂糖たっぷりの清涼飲料水…到底それらの害毒を帳消しにして、尚且つ健康を増進し、疾病を治療するような食品は皆無でしょう。

体に良い食品の宣伝に盲目的に飛びつく前に、食品ですらない害毒を識別し、それらを身の回りから追放する方が遥かに賢明といえます。

但し、神経質にならず大らかに取り組みましょう。

自然に食習慣を長いスパンで改善していくのが最良のやり方です。

悪いものを止めるということが大切なのは、一度取り込んでしまうと、それらを完全に帳消しにすることは出来ないという単純な理由によります。

一度毒物を摂取してしまうと、それはいかなるデトックス法を用いても差し引きゼロにすることは不可能なのです。

食べ物ではありませんが、以前、乗るだけで電磁波の害を無害化するというマット(?)を見た事があります。

何と一日に一度乗るだけで、電磁波の害を無害化できるというのですが、こんな事は絶対に有り得ないでしょう。

乗っている間だけ、外部から来る電磁波を結界のようにシャットアウト出来るというならまだ分からないでもありませんが、一日に受けた電磁波の作用を、まとめて帳消しに出来るなどと考える事自体が、そもそも荒唐無稽です。

電磁波を受けて発生した活性酸素やフリーラジカルが傷つけた細胞をそのマットが修復までしてくれるのでしょうか?

これなども、“良いもの”が“悪いもの”を帳消しにしてくれるという発想の変化球でしょう。

2007/02/09

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