水飲み健康法と水毒

水毒というのは漢方の世界で主に使われる用語で、体内に停滞した水が病気を引き起こした状態を言います。

余分な水といえば鼻水などもそうですが、一般に水毒は清涼飲料水や、果物の過剰摂取、コーヒーの過度の飲用等によって様々な問題を引き起こすとされ、漢方薬局を訪れる患者さんにも広く水毒の証が見られると言います。

本来漢方のコーナーで解説すべきテーマに思えたのですが、水飲み健康法に対する批判として、この「水毒」が持ち出されることがあるため、このコーナーで解説しておきたいと思います。

結論から言って、水飲み健康法による水毒は「起こりえる」と考えています。

水と言っても色々あるために、使用する水によって健康に悪影響を与える場合は多々あることでしょう。

人為的な整水システムでは中々これぞと言えるような水を得難い為、使用する水によって水毒が生じている面も少なくないようです。

その為、ミネラルウォーターでの水飲み健康法を推奨している指導者も居るようですが、ミネラルウォーターも酵素反応や界面活性の面から見て、良質のものから、そうでないものまで様々です。

また、腎臓に疾患を抱えている人が、水飲み健康法を実践した場合、全身に浮腫が出るという例が多くあります。

腎臓疾患をお持ちの方の場合は、飲量の目標を掲げるようなことはせず、無理なく飲める量にすべきでしょう。

女性が特に心配する、いわゆる「水太り」は紛れも無い水毒であるといえますが、用いる水の選択を誤らなければ、腎臓疾患の患者さんを除いて、あまり心配いりません。

ただ、水は体を冷やしますので、夏場に冷蔵庫で冷やした状態で飲んだり、冬場に大量に飲用したりすると、腸を冷やして免疫力の低下を招くので注意してください。

それから、低ナトリウム血症にも触れておきましょう。

これは、激しい運動などの後に大量の水を飲んだ際に頻繁に起こる現象で、緊急の治療を要する症状であり、これで命を落とすスポーツマンは少なくありません。

しかし、これは水飲み健康法に対する批判にはなりません。

人間の体には常にホメオスタシス(恒常性)が働いているために、取り巻く環境が変わっても、体温維持、血糖値の調節、浸透圧の調節 など、生きていく上で重要な機能を常に正常に保つようになっています。

それは、ナトリウム濃度についても言えることで、普段水飲み健康法を実践したからと言って、低ナトリウム血症になったり、血液が過度に薄まるようなことはありません。

危険なのは「激しい運動を行った直後」です。

このような状態は、一時的であれ、平常な状態ではなくなるために、身体の自動調節機能がマヒ状態になっており、体は正常な判断ができなくなっています。

こういった危険な状態で水を飲むと体内のイオンバランスを崩す結果になるために、低ナトリウム血症などの危険な状態が現出するのです。

このため、運動の後にはスポーツドリンクを飲むように薦められていますが、スポーツドリンクには様々な添加物が含まれているために、別の意味で水毒を引き起こす因子になるため、当会では良質の水に、精製塩ではないミネラル豊富な粗塩を少量入れて、スポーツ飲料の代わりとするのが良いと考えています。

以上、水飲み健康法と水毒の問題点を考えてみました。

2007/03/21

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