過大評価される“炭”

書店を覗くと、備長炭や木酢液の様々な効用を謳った本が沢山出回っていることが分かります。

土壌改良や無農薬農法への活用を説いたものもありますが、多くは、アレルギー疾患の改善などが期待されるという内容で、“神秘”だの“驚異”だのという言葉が表題に踊り、表題の末尾が「!」で飾られたものに至っては、この分野でも下品なバイブル本が存在していることを教えてくれます。

炭が非常に不思議な存在であることは事実です。

楢崎皐月博士が提唱した炭素埋設法にしても炭の不思議な力を物語っているといえますが、私は此の所、「炭」に関するものが過大な評価を受けているような気がしてなりません。

木酢液には発がん性物質であるベンゾピレンや、種々のVOC(揮発性有機化合物)が含まれている危険性が指摘されており、特に木酢液を大量に浴槽に投入したり、原液で皮膚に塗布したりすることは控えるべきと思われます。

特に、アトピーをはじめとする皮膚疾患を患っている人が使う場合、ただでさえ敏感な皮膚に刺激の強いものを塗りつけることになる訳ですから、少なくとも原液のまま塗布することはやめるべきでしょう。

また、粒状にした炭を食べるという健康法もありますが、これも控えた方がよいと思われます。

炭表面の多孔質の部分が有用腸内微生物の住処になるという触れ書きですが、私が研究者から伺った話では、逆に増殖が望ましくない微生物群が増殖する結果を招くということでした。

特定の疾患が改善するまでの短い期間に限って慎重に用いる場合には有益な使い道があるのかもしれませんが、“健康法”的発想で、健常者が乱用するのは危険でしょう。

少しでも効果があれば、尾ひれが付いて話が大きくなり、何時の間にやら“神話”を形成するのが資本主義社会における健康マーケットの法則ですが、私達消費者は少しでも正しい情報を得る努力をしなければなりませんし、有識者も正しい啓蒙活動を率先して行う義務があると言えましょう。

ちなみに、私は“炭シャンプー”を使っていますが、取り立てて炭の効能を期待しているわけではなく、一般のシャンプーのドギツイ匂いがしない(無香料なのです)からというだけの理由に過ぎません。

2007/04/15

トップへ